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長期投資のための(てきとう)企業・業績分析を垂れ流すブログ

【決算分析】6058 ベクトル(2024年2月期 第3四半期決算)

企業概要

国内トップのPRマーケティンググループ。企業・消費者を対象にPR・広告(戦略PR、サイネージ)、プレスリリース配信(ニュース、ビデオ)、ダイレクトマーケティング、HR、投資の5事業。主力のPR・広告事業は顧客企業によるメディアを活用した生活者とのコミュニケーション戦略を総合的に支援、ビデオリリース配信・メディアCMSサービスを提供。戦略PR(コストを抑制したPR)、デジタルマーケティング活用に取り組む。PR・広告事業の新サービス(タクシーサイネージ、車載モビリティサイネージ、喫煙所サイネージ)、アドテクノロジー分野、パートナー企業と提携した新サービスに注力。ニュースリリース配信はサイト「PR TIMES」<3922>を中心に8万7千社の利用企業社数を獲得、ダイレクトマーケティングはD2Cブランドの販売。PR TIMES<3922>を子会社に持つ。2015年面白法人のカヤック<3904>と業務提携。2017年マガシークと古着買取サービスで提携。2018年人事評価のあしたのチームを子会社化。2019年ソニーネットワークコミュニケーションズと合弁会社「SoVeC」設立。2022年MasterVisionsを子会社化。

業績から

  • 売上は微増。利益面は2Qまでのマイナスを挽回できず二桁減益が続く
    • ただし、足元の3Q単体で見ると利益面は前年同期比でプラスに転換
  • 2Qで計上した貸し倒れ引当金の今期中での回収見込みが立たなくなったため貸し倒れ引当金分の額を下方修正
    • 通期の純利益は保有株式を売却して無理やり?着地させる模様
      • 事業の切売り!?とか一瞬思ったけど、おそらく上場前のスタートアップ企業に投資案件として投資したものの売却と推測
    • 回収できない可能性はそれなりに考えてはいましたが…
      • まあ最悪回収できない場合でも会社の運営には多大な影響はないだろうから 、頑張って回収してだけどできなかったらしょうがないかで割り切れるかな
  • 各事業の業績は概ね好調なものが多い印象
    • 「PR・広告」、「プレスリリース」については売上も伸び、利益も安定的に計上。
    • ダイレクトマーケティング」については軟調なもののここからある程度巻き返す?
    • 「HR」は利益面はまだまだだが売上はきっちり伸びており問題はなさそう
    • 「投資」は売上、利益ともに軟調に見えるものの、タイミング次第なのでまあこんなものかと
    • 3Q単体では全事業が黒字化

指標値から

  • 指標値的には底からは少し上がってきたもののグロース企業の扱いでなく収益バリュー企業の水準
    • 中計の数字が達成できるなら割安だが…
  • ROEは中期計画目標では安定的に25%以上を目指すとのこと。
  • 流動負債に対してキャッシュを十分持っているため不良債権問題が焦げ付いても倒れることはなさそう。

チャートから

  • 2018年頃をピークにそれ以降は1200円前後のボックス圏に。
    • 本決算まではボックス圏内ですね…

定性的な面から

ポジティブ

  • 規模は大きくないものの自社株買いを発表
    • 自社株買いによりEPSがわずかながら改善するため30%の配当方針に従い配当も増配(律儀)
  • HR事業が先行投資をこなしつつ利益も稼げるようになってきたのは面白い

ネガティブ

  • ダイレクトマーケティング事業については巻き返せるのか全くわからないので相変わらず私は不安
  • 不良債権についてはある意味不安が的中か
    • ただ、上でも書いたがこれでベクトルが根幹からやばいことになる可能性は低いと思われ

その他

  • 4Qでの株式売却は通期の純利益予想を確保するための無理やりの策なのか…