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長期投資のための(てきとう)企業・業績分析を垂れ流すブログ

【決算分析】7030 スプリックス(2023年9月期 決算)

企業概要

学習塾サービス会社。個別指導「森塾」(先生一人に生徒二人までの個別指導学習塾)を中心に、集団指導形式の学習塾「湘南ゼミナール」、映像授業と大学受験指導「河合塾マナビス」のフランチャイズを展開。長岡(新潟)で操業、東京や埼玉を中心に個別指導学習塾「森塾」(202教室)、「湘南ゼミナール」(182教室)、「河合塾マナビス」(48教室)、自立学習「RED」、オンライン塾「そら塾」を運営。「森塾」は成績保証制度(定期テストで1科目20点以上成績が上がることを保証)に特色。その他、教育関連コンテンツサービスは教師向け学習塾用教材「フォレスタシリーズ」の開発・販売、検定(国際基礎学力検定「TOFAS」、中国語検定「HSK」)、社会人を対象としたダンススクール「東京ダンスヴィレッジ」運営など。2019年サイバーエージェント子会社と子供向けのオンラインプログラミング学習サービス「キュレオ」を共同設立、明光ネットワークジャパン<4668>と業務提携。2020年プログラミング総合研究所を設立、湘南ゼミナールを子会社化(45億円)、オンライン個別指導塾「そら塾」のサービスを開始。

業績から

  • 通期業績としては微増収大幅減益で着地したものの、期初予想に近い数字で着地。
    • 個人的には森塾は好調というより安定というイメージ
    • 湘南ゼミナール河合塾マナビスの業績は完全にダメな状態。
      • 社長の説明では湘南ゼミナールの生徒が合格する率自体は上がっているというが…改善を続けられるか?
    • TOFAS等の基礎学力事業は先行投資フェーズなため売上・利益貢献はほぼなし。
  • 森塾の1教室あたりの生徒数の底がいまいち安定せず。
    • それでもきっちり利益を稼いでいるため安定の評価。
  • BPSが微妙に下がっているため今の業績は株主還元を含めるとギリギリ赤という水準っぽい。

指標値から

  • PERは30.9倍と更に割高に。先行投資があるため今年度も参考値程度
  • PBRは1.44倍と資産面でも割安とは言えないかも(割高でもないが)
  • 配当利回りは4.7%なので、今はこちらが株価の底を決める要因になりそう。

チャートから

  • 800円前後をいったりきたり。
    • 配当利回り的に通常の相場なら今年度も760円(5%くらい)が底値の目安?

定性的な面から

ポジティブ

  • 森塾は堅調だが、1教室あたりの生徒数の底をつけたかが少し不安定
    • きっちり稼いでくれているので、稼いでいるうちに次の柱を
  • アセスメント事業(TOFAS、プロ検)については順調に拡大中
    • TOFASは総受験者数が2Q→3Qで100万→200万、3Q→4Qで200万→350万と順調に拡大中。確か2022/9の決算発表の時点では15万。
    • TOFASについてはトップダウンの導入戦略がうまくいっている模様
    • これだけ拡大が順調にもかかわらずマネタイズについてはふれられていないのでなにか問題が?

ネガティブ

  • 湘南ゼミナール河合塾マナビスの減速が止まらない
    • 湘南ゼミナールについては翠嵐に絞り込んだ成果が出るかで生き死にが決まりそう
  • 教室あたりの生徒数をみるに森塾の既存の教室は成長というより安定を維持するのが割と大変そうだが…
  • 2022/9の中期経営計画より2023/9の数字は全体的に下ぶれている感じが
    • 売上400億は当初2025年で達成とあるが今回の資料ではそのあたりはぼかされてる点とかは気になる
      • 目標はあくまで目標なので1年進めて現実に沿った修正をしてきたのか…

その他

  • 自立学習REDは良く言えば着実、悪く言えば牛歩の増えかた。
  • TOFASのマネタイズはDOJOとセットで進めるとやりやすそうなイメージ
    • そもそも受験者は基礎学力を上げることが目的で、TOFASは自分の実力を計るためのものでしかないはず