みやびの館@株式投資(別館)

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長期投資のための(てきとう)企業・業績分析を垂れ流すブログ

【決算分析】7581 サイゼリヤ (2021年8月期決算)

企業概要

大手イタリアンファミリーレストランチェーン。関東・中部・近畿圏を中心に低価格なイタリアンワイン&カフェレストラン「サイゼリヤ」のチェーン運営(全国1091店舗、2021年2月)。看板メニュー300円の「ミラノ風ドリア」、パスタ・ワイン・オリーブオイルをイタリアから輸入、全店でのドリンクバー導入、「お持ち帰りメニュー」、十数種のワインメニューなどに特色。ワイン消費量は国内トップ。サイゼリヤ農場を初めとした契約農家と協力してサイゼリヤ仕様の野菜を開発(製造直販体制を確立)。海外は上海・広州・北京・香港・シンガポール・台湾に約430店舗。2012年パスタ専門店のファストフード「マリアーノ」をオープン。2016年スープパスタ専門店「ZUPPA di PASTA」、2018年フレッシュ&ナチュラルのカフェスタンド 、2019年Latteとfロールの「リフレスカ」をオープン。

業績から

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  • 売上は横ばい。利益は協力金のおかげで黒字化。
    • 4Q単体では売上も復調の気配だが利益に関しては大きく赤字に
  • 協力金の一部が未入金となり経常利益と純利益については下方修正
    • 前期の未入金分20億の協力金が今期の営業外収益として上乗せ。
  • 今期は売上が大きく伸びる
    • 中間決算では売上がしっかり伸びるのに対して利益がほとんど出ていないので、コロナの警戒、もしくは何らかの先行投資を実施か

指標値から

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  • PERとPBRからは割高感はなし
  • ROEROAについてはコロナ禍の今はあまり当てにならず
  • 配当利回りは…(笑)

チャートから

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  • コロナショックからだいぶ戻してきた感はある…というかコロナ前の水準を回復してる
  • 流石にこの数字で2018年頃の高値を追うのは厳しいか…

定性的な面から

ポジティブ

  • アジア圏は絶好調
  • コロナによる混乱が徐々に収束の兆しに
  • 国内、海外ともに店舗数は増加傾向

ネガティブ

  • コロナにより生活様式に大きな変化が生まれてしまった
    • 社会にデリバリが定着しており外食業界にも影響が

その他

  • 協力金の影響もありEPSは過去最高に(嵩上げの結果なのであまり意味ないけど)

【決算分析】 2928 RIZAPグループ(2022年3月期 第1四半期決算)

企業概要

事業持株会社、(旧)健康コーポレーション。ヘルスケア・美容(トレーニングジム、婦人下着、健康食品)、ライフスタイル(インテリア、アパレル・カジュアルウエア、雑貨)、インベストメントの3事業。中核のパーソナル・トレーニングジム「RIZAP」はエビデンスに基づいたボディメイクメソッド(123店舗、2021年3月)。その他、RIZAP関連は「RIZAP GOLF」「RIZAP ENGLISH」「EXPA」、RIZAP法人向けウェルネス研修など。積極的なM&Aにより事業拡大(主要傘下企業はイデアインターナショナル<3140>、夢展望<3185>、SDエンターテイメント<4650>、REXT/ワンダーコーポレーションジーンズメイトHAPiNS堀田丸正<8105>、MRKホールディングス<9980>)。ヘルスケア&ICT分野でソフトバンクとサービスを共同開発。2019年タツミプランニングを高松コンストラクショングループに譲渡、ぱどを売却。2020年婦人服メーカーの三鈴をITbookホールディングス<1447>に譲渡。2021年日本文芸社をメディアドゥ<3678>に譲渡、3社統合(ワンダーコーポレーションHaPiNSジーンズメイト)によるREXT<7697>設立。

業績から

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  • 増収をしつつ黒字転換
    • 売上については事業の断捨離をしているためなんとも言えないが、利益水準の改善についてはまだまだこれからか

指標値から

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  • このまま改善していくなら割安と言えるかも
  • 流動比率は100%を超えているため直近は問題なし

チャートから

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  • ここから浮上するか…

定性的な面から

ポジティブ

  • コスト削減により利益の出やすい体質になりつつある
  • コロナ渦でパーソナルトレーナーのニーズは増加傾向(会員数増)

ネガティブ

  • 子会社はまだまだ赤字が残っているところがたくさん

【決算分析】 3830 ギガプライズ(2022年3月期 第1四半期決算)

企業概要

不動産ITサービス会社、フリービットの子会社。マンション向けインターネットサービスのHomeIT事業(集合住宅向けISP、ネットワーク・ホスティングサービス、不動産賃貸管理ソフト開発・販売)を展開。マンションデベロッパーや不動産管理会社等と提携、マンションのインターネット導入から利用・保守までのサポート、監視カメラ・VDRの販売保守、不動産賃貸管理ソフト販売など。集合住宅向けISPのサービス提供戸数は64万戸超。家電コントロール・スマートロックなどIoT分野に注力。2013年システム開発事業をフリービットに譲渡。2017年ナーブ社(VR開発)・ユーエムイー社(IoTサービス)と資本業務提携、不動産仲介をベースにITを利用した不動産Tech業務に参入。2020年NECネッツエスアイ<1973>と集合住宅向けISPサービス「SPES」の販売を開始、イオンハウジング事業のフォーメンバーズを譲渡。主要取引先はD.U-NET、大東建託大東建託パートナーズ。

業績から

  • 増収・大幅増益に。売上については不動産事業(フォーメンバーズ分)の剥落や収益認識基準の影響を考えると売上としても十分増えた感触
    • 利益率に関しては不動産事業開始以前に近くなったので、来期以降での利益率の改善による大幅増益はおそらくないかと
  • 収益認識基準の変更は売上・利益ともにマイナスの影響あり

  • 1Qの管理戸数は4.5万戸増と昨年度並を維持
    • 通年で15万戸増予想であり、残り2-4Qで10万戸強増なので去年同様どこかで上方修正がありそうだが一昨年のような展開もありえるのでなんとも…

指標値から

  • この業績の数字なら流石に割安と判断しても…
  • 自己資本比率はかなり改善して42.2%に
  • 流動比率は200%を超えておりキャッシュリッチ企業

チャートから

  • 底入れしてほしいが…

定性的な面から

ポジティブ

  • ISPの増加戸数が昨年度と同様の4.5万戸で、NTT西日本の受付一時停止や賃貸住宅の市況の厳しさを考えると順調
  • 特にフリービット絡みのコストが大きくのっている箇所はなさそう

ネガティブ

  • 不動産はわずかだが相変わらず赤字
  • 賃貸住宅の新築の市況は今後も厳しく推移しそう

【決算分析】 7030 スプリックス(2021年9月期 第3四半期決算)

企業概要

学習塾サービス会社。個別指導「森塾」(先生一人に生徒二人までの個別指導学習塾)を中心に、ネット学習塾サービス「自立学習RED」(フランチャイズ)や教育関連コンテンツサービスを提供。長岡(新潟)で操業、東京や埼玉を中心に「森塾」「自立学習RED」を約280教室(直営&FC)運営。「森塾」は成績保証制度(定期テストで1科目20点以上成績が上がることを保証)に特色。教育関連コンテンツサービスは学習塾用教材「フォレスタシリーズ」・読書教育プログラム「グリムスクール」の開発・販売、社会人を対象としたダンススクール「東京ダンスヴィレッジ」運営など。2019年サイバーエージェントの子会社と子供向けのオンラインプログラミング学習サービス「キュレオ」を共同設立、明光ネットワークジャパン<4668>と業務提携。2020年プログラミング総合研究所を設立、学習塾運営の湘南ゼミナールを子会社化(45億円)、オンライン指導型の個別指導塾「そら塾」のサービスを開始。

業績から

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  • 湘南ゼミナールの売上が今期はのったため大幅増収、営業利益は増益だが純利益は減益。
    • 純利益に関しては、昨年度の特別保証金の底上げと、今年度の特別損失によるマイナスによる影響

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  • 各塾毎の利益は森塾(湘南ゼミナール運営)以外は2Q時より積み上がっているため、3Q単体の赤字の原因は単純な運営以外(先行投資や広告宣伝費)にありそう

指標値から

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  • 指標的にはEV/EBITDAで判断すると割安
  • 買収により自己資本比率がかなり悪化したが42.8%とまだまだ問題ないレベル
  • 流動比率は100%を超えており問題ないレベル

チャートから

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  • 底入れしたかに見えたが…

定性的な面から

ポジティブ

  • 湘南ゼミナールが赤字垂れ流しかと思っていたが思いの外しっかり利益は出している
  • 2Qでは大きく減った自立学習REDのFC数が大きく増加
    • このままコロナ前のような増加トレンドに戻れるか

ネガティブ

  • 湘南ゼミナール河合塾マナビスの生徒数は2Q期末と比較して減少と塾としての弱さを感じる
  • 森塾(スプリックス運営)の1教室あたりの生徒数が下げ止まりしたものの、過去と比べるとかなり低水準
    • そもそも教室の大きさ次第でキャパも変わるだろうから単純に減ったからダメという判断ではダメか

その他

  • 湘南ゼミナール側の(おそらく)非効率運営をスプリックスの効率運営に置き換えることでコスト削減ができるか?
  • そら塾が収益の柱の一つになるくらい事業として成長するかは注目
  • 森塾、自立学習RED、そら塾、湘南ゼミナール河合塾マナビスと塾ラインナップも豊富に
  • 競争は激しいものの、塾用テキストであるフォレスタシリーズがアナログ、デジタルの両方でラインナップできているのは大きい
    • eフォレスタはAIを用いた学習テキスト(自立学習REDで仕様)

【決算分析】 6089 ウィルグループ(2022年3月期 第1四半期決算)

企業概要

人材支援サービスグループ。セールス(販売支援スタッフ派遣・請負)、コールセンター(オペレーター派遣・請負)、ファクトリー(軽作業スタッフ派遣、製造・検査・梱包請負)のアウトソーシング業務を営む。サービスブランドを「WILLOF」に統一。中核会社のウィルオブ・ワークはモバイル端末販売や通信会社向けコールセンター、ウィルオブ・ファクトリーは食品製造業に特化したサービスを提供。ハイブリッド派遣(常駐正社員と派遣スタッフをチームに派遣、常駐正社員が就業管理や現場管理をサポート)に特長。医療・介護分野における介護士派遣・紹介事業や技術者派遣、スタートアップ人材支援を推進。海外はASEANオセアニア地域で人材派遣・人材紹介などの人材サービス事業を展開。2018年東北地方中心に建設技術者派遣のC4社を買収(34億円)。2020年子会社のフォースタートアップス<7089>がマザーズへ上場。

業績から

  • 増収増益であったものの、海外景気持ち直しと為替の影響からWORK事業の数字が上振れ
  • 国内Workについては売上は横ばいで減益。ただし、もともと期初予想では中間・期末利益ともに減益予想となっていたため想定通りの動きか
  • 国内Work事業の一部分野の業績回復は鈍い

指標値から

チャートから

  • ボックス圏で移動中

定性的な面から

ポジティブ

  • 海外は景気回復の流れでそれに伴い業績も回復傾向
  • 国内の景気が微妙と言われている状態でも安定した業績を堅持
  • 子会社でマザーズ上場のフォースタートアップスについては業績好調

ネガティブ

  • 他の人材系の企業と比較すると業績の回復が弱い印象(悪くは無いのだが…)
    • 国内WORK事業の領域別業績予想の修正版ではコールセンターとスタートアップ支援以外の売上はわずかながら減少

  • コロナの収束が見通せずインバウンド事業(ビザマネやEMPORT等)は引き続き厳しい状況が続く

その他

  • 中期経営計画(2023/3が最終年)に向けて先行投資の年
  • 期首予想に対して総還元性向が30%という業績が伸びても配当が増えない方針…(その分業績が悪化しても減らないのですが)

【決算分析】 5911 横河ブリッジホールディングス(2022年3月期 第1四半期決算)

企業概要

橋梁メーカー、国内最大手。鋼構造物(橋梁・建築環境)の設計・製作・現場施工・保全を主業務に、エンジニアリング関連(システム建築、土木構造物)、先端技術(精密機器/高精度フレーム製造)の各事業。明石海峡大橋(世界最大の吊橋)、横浜ベイブリッジ、レインボーブリッジ、香港ストーンカッターズ橋やベトナム鉄道橋に代表される大プロジェクト実績を持つ橋梁業界のリーディングカンパニー。「社会インフラ整備」の新設橋梁建設・保全事業を推進。エンジニアリング関連は「yess建築」により工場・倉庫・店舗・スポーツ施設などのシステム建築分野で業界トップ。先端技術事業は精密機器製造として大型高精密構造体フレーム製品(架台)の開発・設計・製造・販売。横河ブリッジ、横河システム建築、横河NSエンジニアリング、楢崎製作所等を子会社に持つ。2007年持株会社化。2009年住友金属工業(現日本製鉄)と橋梁事業の合弁会社横河住金ブリッジ、子会社化)設立。2015年横河ブリッジと横河工事が合併(持株会社化)。主要取引先は高速道路会社、国土交通省地方自治体。

業績から

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  • 売上は微減であったものの、橋梁事業、エンジニアリング関係事業の儲けが増えて大幅増益
  • 将来の売上に影響する受注高については前年度と比較し15.7%減と少し苦戦中
  • 営業利益率は1Qは11%であり、通期としても10%前後と高い

指標値から

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  • 指標的にはEV/EBITDAやPBR等を見ると割安
  • 自己資本比率は60%と高く、流動比率も250%なので目先のキャッシュも財務も問題なし

チャートから

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  • 徐々に下値を切り上げつつ2000円前後をうろうろ
  • チャート的には高めにあるが、指標的にも割高感はない

定性的な面から

ポジティブ

  • 国内最大手の橋梁メーカーで、波はあるものの今後も仕事はあるものと推測される
  • 技術力はありそうなので、今後は海外に拡大の活路をみいだせるか?

ネガティブ

  • 実際の工事をする人員や資材の不足がボトルネックになって、受注が受けたくてもある程度以上は増やせない可能性も
  • 国がインフラの維持をどこまで頑張るか…(長期的には重要度が低い箇所は切り捨てられていくのでは?)

【ひとりブレスト】 2341 アルバイトタイムス

企業概要

求人情報サービス会社。静岡を基盤に首都圏・中部・大阪でアルバイト求人情報誌「DOMO」のフリーペーパー編集・発行、サイト「DOMO NET」運営、正社員の転職・情報サイト「JOB」運営。無料求人情報誌のパイオニア。主力商品の無料求人情報紙媒体と求人情報サイトはアルバイター・パートタイマー・派遣社員契約社員などの非正社員向け求人情報(静岡東部・中部・西部・名古屋で発行)。その他、リアルイベント「JOBフェア」開催、女性向け転職サイト運営、IT業界で働く女性のための転職サイト「ベティ」運営等。2016年英語・幼児保育施設を開校。主要取引先は大日本印刷、神田印刷工業。

指標面から

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  • EV/EBITDAは24.6倍とかなり割高だがそもそも利益が出ていないためこの指標はあまり役に立たず
  • ROEは最盛期には20%以上出あったが今は…利益出てませんからね
  • 自己資本比率は88.4%と昔から無借金で超優良財務
    • 財務良好だが悪化しても構わないのでもう少しチャレンジを…
  • 業績の悪化に伴い配当は減らされて今は3円に。配当利回りは1.9%と良くもなく悪くもなく。
  • PBRは1倍前後。純資産の8割近くが現金という相も変わらず現金大好き企業
    • 絶対に倒産しないと思うけど、必要以上に現金を抱え込んでるイメージはある。

ファンダメンタルから

Y on Y

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  • コロナの影響で売上と利益が悪化
    • 利益は赤字転落し、今季はわずかながら黒字の予想。
  • デジタル化に失敗したのか、ここ数年(コロナ前から)は利益や利益率が悪化傾向。

Q on Q

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  • 5四半期連続で利益は赤字。ただし直近の1Qでは前年比で赤字幅は減少。

キャッシュフロー

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  • コロナ渦では流石にフリーCFはマイナスに。
    • 現金はかなり保有しているので経営への影響は現時点では皆無。

有利子負債

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  • 文句はなし。

チャートから

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  • コロナ時の底から反発してきた感じはあるものの、ここから上値を目指すために業績の回復は必須か。

定性的な面から

ポジティブ

  • 情報支援(DOMOなど)はコロナの影響から回復傾向に
  • 『ワガシャ de DOMO』(サブスクリプション型課金モデル)が拡大しているらしい
  • 東海圏ではわりと知名度が高い求人誌(サイト)。

ネガティブ

  • 採用サイト支援ツール(『ワガシャ de DOMO』)については競合が多い中どう差別化するか
    • 最終的には価格の叩き合いにならないか?
  • サブスクリプションの人気が出ると、影響で単価の高い求人誌の掲載数が減るのでは?